クラミジア結膜炎から失明の可能性がある

クラミジア結膜炎から失明の可能性がある

クラミジア結膜炎はクラミジア・トラコマチスという病原体の感染によって発症する結膜炎です。
クラミジアは目に感染するとクラミジア結膜炎、これはトラコーマと呼ばれるものですが、泌尿生殖器に感染すると性感染症ということになります。
日本においてもかつては失明の原因となる疾患として恐れられていましたが、従来の衛生面が原因のトラコーマは現在ではほとんど見られなくなってきました。

一部の発展途上国においてはトラコーマは蔓延しています。
016年のWHOの発表によるとこの疾患で失明や視力障害を起こしている人の数は約190万人、アフリカや中東をはじめとする42か国で確認されています。
劣悪な衛生環境、水や医療サービスの不足、貧困などが原因です。

一般的にはトラコーマは感染者の分泌物が付着することで感染します。
目を擦った手で他の物を触り、それに他者が触ったり、ハエが媒介するということもあります。
初期症状は瞼が腫れ、結膜の充血、むくみ、目やに、眼瞼結膜にブツブツが出る等の症状であり、流行性角結膜炎の症状と判別しにくく、はやり目と間違った診断がなされることが多い眼病です。
放置したり、誤った知慮をしていると悪化の一途をたどり、2週間程度治療をしても症状が軽減しない場合は結膜擦過物でクラミジアを検出すれば確定診断ができます。

近年、日本で発症しているクラミジア結膜炎はほとんどが性感染症によるものです。
クラミジアは若い世代に多い性感染症で、数的にも最も多いものです。
感染しても症状が出にくく感染に気付かず、性交渉によって簡単に感染してしまいます。
感染者の性器や分泌物に触った手で目を触ると目に感染するものです。

性器に感染したクラミジアが原因で結膜炎をおこすタイプのものを封入体結膜炎と呼びます。
これが成人型と呼ばれているのに対して新生児型というタイプのものが存在します。
新生児型はクラミジア感染症の女性が未治療のまま出産する際に、赤ちゃんが産道を通過する時に感染するもので、垂直感染のひとつです。

クラミジア結膜炎は非常に感染力の強い眼病です。
アジスロマイシンやテトラサイクリン系の抗生物質の使用が治療方法となり、内服や眼軟膏、点眼薬を使用します。
ここで注意をしなければならないのは症状が無くなったからと言って自己判断で中止しないことです。
症状が消失した後もしばらく治療は必要となり、中途半端な治療をしていると感染を繰り返し、失明の危険性もでてきます。

クラミジア結膜炎は赤ちゃんにも危険

クラミジア感染症は女性には症状がでにくいこともあり、気づかないまま感染していることもあるので注意が必要な性感染症でもあります。
クラミジア結膜炎はトラコーマと呼ばれるものですが現在では発展途上国に多くあり、日本では減少してきている疾患の一つとなっていました。

しかし、近年では若い世代を中心に性感染症からくる封入体結膜炎と呼ばれるクラミジア結膜炎が増加してきており、新生児型への感染も認められます。
これは出産時に、未治療または完全に治療が行われていない母親の産道を通ることにより感染する産道感染が原因の場合がほとんどです。

新生児型の特徴として成人型と異なり両眼に症状が出現してきます。
生後5〜14日で発症し、目やに、結膜の充血、瞼の腫れ、眼瞼の裏側にブツブツができたり、内側に偽膜ができてきます。
新生児の場合濾胞をつくることはありません。
進行すると眼の中にある血管が発達して角膜に侵入したり角膜を傷つけることで視力障害や最悪の場合は失明することも考えられます。
治療方法としてはテトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系などの抗生剤を使用しますが、眼科においては点眼薬や眼軟膏を使用します。
あかちゃんに発症した場合は母親も同時に内服治療を行うことが推奨されています。
赤ちゃんの目やになどの眼病に対して安易に市販の目薬などを使用するべきではありません。

また新生児がクラミジア結膜炎を発症した場合高い確率で呼吸器にも感染していることが考えられます。

新生児のクラミジア結膜炎を防ぐためには妊婦検診の段階できちんと治療を行っておくことが必要です。
クラミジア結膜炎は性感染症の場合よりも長期の治療が必要であり、医師の指示に従ってきちんと治療を行っておくことが新しい家族を迎えるに当たってもとても大切なことです。