クラミジアを侮るな!HIVへの感染の確率も上がる?

クラミジアを侮るな!HIVへの感染の確率も上がる?

クラミジアは、日本で最も感染患者の多い性感染症であり、淋病と重複感染している患者が多いだけで無くHIVへの感染率を健常者の3倍〜5倍程度まで高めると危険視されている性行為感染症です。
HIV感染症は、正確には後天性免疫不全症候群と呼ばれ、免疫細胞がヒト免疫不全ウイルスHIVに感染する事が原因で発症する病気です。
HIVは、間接的な接触や飛沫による感染リスクは極めて低く、性行為時に感染患者の血液や精液などの体液を介して感染します。
クラミジアへの感染で免疫力が低下している粘膜組織は健常時に比べて感染率が3倍〜5倍程度高くなります。
HIVの検査は、全国の保健所や自治体が定める機関で匿名かつ無料で受診する事が出来ます。
採血による粒子凝集法や酵素抗体法などのスクリーニング血清抗体検査、検査の空白期間であるウインドウ期間の短縮が期待出来る核酸増幅検査が行われています。
専門の医療機関では、より精度を高める為にWestern Blot法を用いたヒト免疫不全ウイルスの1型及び2型の抗体検査とヒト免疫不全ウイルス1型のポリメラーゼ連鎖反応によるDNA増幅検査など複数の検査が行われています。

HIV感染症は、初期感染期と無症候期及びエイズ期に分類され、感染から2週間〜6週間の初感染期には発熱やリンパ節腫れ及び咽頭炎など風邪様相の症状を発症しますが、自然に症状が消失し数年間〜十数年間の無症候期に入ります。
無症候期は、目立った症状が無いので病状が進行していない様に見えますが、毎日100億個程度のヒト免疫不全ウイルスが増殖しCD4陽性リンパ球を破壊し続けています。
無症候期は、検査によるCD4陽性リンパ球の数値で無く、厚生労働省が定める後天性免疫不全症候群における指標疾患の23種類の病気の1つもしくは複数発症する事で終わり、エイズ期に移行します。
治療は、ヒト免疫不全ウイルスの増殖の各プロセスを阻害する為に複数の抗HIV薬を用いるHAART療法が行われ、日本では合剤を別として24種類の抗HIV薬が承認されています。

HIV治療のいま

クラミジアの感染患者は、生殖器官の内外にクラミジア・トラコマチスに起因する潰瘍や炎症を引き起こす事から、精液や血液に含まれるHIVに重複感染する感染率を高めます。
HIVの発症初期には、発熱や全身の倦怠感などのインフルエンザ様相の症状が現れますが、初期症状は数週間で自然治癒してしまいます。
エイズの発症と共にHIVに感染していた事を知る感染患者も多く、定期的な検査で早期発見し抗HIV薬による治療を早期に開始する必要があります。
HIV治療は、過去には抗HIV薬の重篤な副作用を回避する為にCD4陽性リンパ球数が200/μl程度まで低下するまで開始されなかった時期もありました。
現在では抗HIV薬自体の副作用が大きく抑制されている事もありCD4陽性リンパ球数が500/μl程度から開始する医療機関もあります。
HIV治療は、一般的に単剤もしくは2剤の併用が主流でしたが、現在ではHIVの増殖サイクルの各プロセスを阻害する為に3剤〜4剤を組み合わせて服用するHAART療法が行われています。

抗HIV薬には、核酸系逆転写酵素阻害剤や非核酸系逆転写酵素阻害剤に加え、プロテアーゼ阻害剤やインテグラーゼ阻害剤及び侵入阻害薬の5種類が大別されます。
また、APOBEC3タンパク質やTRIM5α、BST-2などのHIV感染抑制因子の研究も進められています。
侵入抑制剤は、HIVと呼ばれる病気の原因となるHIVが人間のCD4陽性T細胞のレセプターとの結合を阻害する事により、CD4陽性T細胞の破壊を抑制する医薬品です。
プロテアーゼ阻害剤は、ウイルス粒子の生合成に必要な機能タンパク質の生合成を活性化する酵素プロテアーゼの働きを阻害する医薬品であり、機能タンパク質が不足する事で増殖が抑制される医薬品です。
インテグラーゼ阻害剤は、感染細胞にHIVの遺伝子情報を組み込む為に必要な酵素インテグラーゼの働きを阻害する事で増殖を抑制します。