性行為感染症の中でも感染している人の数が最も多いと言われているのがクラミジアという病気で、症状が出にくいということで有名です。
症状が出ていない人でも体の中にはクラミジアの原因菌が存在しているために、自分がクラミジアの菌を持っていることに気付かないうちに人へ感染を広げてしまっていることがあります。
そういったことも関係して感染者の数がどんどん増えていると言われており、誰もが感染する機会のある病気です。

クラミジアってどういう病気?

クラミジアは性行為で感染が広がっていく病気で、症状が出にくいことから自分が感染していると気付かないうちに感染を広げてしまう可能性のある病気です。
そして、1回の性行為で感染を起こす可能性は50%もあると言われており、感染力も強い部類の性感染症です。
実際にクラミジア患者の数が増え続けていると言われていますが、症状がなく自分で発症していると気付いていない人も含めると、現在発表されている数よりも多くなるでしょう。

このように感染者の多い病気ですが、大きな特徴は症状が全く出ないことがあるということです。
クラミジア・トラコマチスという細菌が体の中に入ってから1~2週間ほどの潜伏期間があると言われていて、その間は身体の中で細菌の数を増やし続けている時期で通常はなにも症状が起きません。

潜伏期間を過ぎると男性では尿道炎という尿道に炎症が起こる症状が始まり、排尿をする時に痛みを感じるようになったり、水っぽい膿が出ることがあります。
こういった症状は感染後初期の時期にあらわれやすいとされていますが、男性の場合には症状が出るのは50%ほどで、残りの50%の人は症状が全く出ずに、身体の中の細菌だけが増えていきます。

女性の場合には最初に子宮頸管などの場所に感染することが多く、子宮頸管炎を引き起こします。
それに伴いおりものの性状が変化したり、おりものの量が増え、おりものの中に水っぽい膿が混じることがあります。
女性の場合には75%もの人が症状が全く出ないと言われており、こういった症状が見られるのは感染した人の中で25%ほどなので、ほとんどの人が何も症状がないままに過ごすことになります。

クラミジアに感染している人の数は100万人にものぼると言われるほど感染している人の多い病気ですが、症状が出ない人の数がとても多いため、自分で感染をしていると気付いていない人の数も相当数いると思われます。
感染をしている人は症状が出ないということで、特に体に影響がないわけではなく、症状が出なくても体の中でクラミジアの細菌の数は増え続けており、体のさらに奥深くまで細菌が増殖していってしまっています。
体の奥深くまで細菌が入り込んでしまうことで治療が難しくなり、完治するまでに時間がかかってしまうことがあります。

クラミジアの原因は?

クラミジアはクラミジア・トラコマチスという細菌が元になって発症する病気で、粘膜や皮膚についた傷から体内に細菌が入り込み、体内に入った細菌が増殖することで症状を引き起こします。
粘膜や皮膚が直接触れる機会ということで感染の原因となるのは、クラミジアに感染している人と性行為を行うこと等が挙げられます。

症状を起こしている人が使用したタオルなどを介して感染が起きないとは言いきれませんが、可能性としては、何かを介して感染が広がることは稀なので、感染の原因は性行為だと思っていて間違いはないでしょう。
性行為はセックス、アナルセックス、オーラルセックスの全てで感染をする可能性があるので、皮膚や粘膜が触れる機会のある時には感染する機会があると思いしっかりと注意をする必要があります。

クラミジアに感染した場合には?

クラミジアに感染をした時には抗生物質を服用することで体の中の病原菌を死滅させることができます。
クラミジアの治療でよく使われている薬のひとつにマクロライド系のジスロマックという薬があり、この薬の特徴は一度服用するだけで、その後数日間は効果が持続して、治療が完了するということです。
他の抗生物質の時には数週間ほど薬を服用し続けないといけないために薬を飲む続けるという手間がありますが、ジスロマックの場合には1回だけの服用で完治させられます。

ジスロマックは作用効果が長く続く便利な薬ですが、下痢を起こしやすいという副作用があります。
これはジスロマックが腸の中にある整腸作用のある細菌にも影響を及ぼしてしまうからで、抗生剤を使用した時には同じような理由で良く起こる副作用です。
副作用の症状が酷すぎる時には、医師に相談するようにしましょう。
それ以外の副作用は胃痛が起きるなど消化器系に出る症状がありますが、ジスロマックは副作用が起きにくい抗生剤と言われています。

またジスロマックと同じ成分でできているジェネリック医薬品にはアジーという薬があり、クラミジアの治療に使用することができます。
ジェネリック医薬品は値段を抑えた価格設定になっているので、ジスロマックよりも安い値段で購入することができますが、成分は同じなので同じような病気の治療に使うことができます。
ジスロマックを使用したいけれど価格が高くて困っている時には、ジェネリック医薬品のアジーを使用してみるという方法もあります。

クラミジアを放置するとどうなる?

クラミジアは薬で治せる病気で症状も出にくいというと、感染をしても大きな問題のない病気のように思われてしまうことがあります。
症状が出にくいということは病気が初期の段階では気付くことが難しく、病状が悪化しやすいという問題点が出てきます。

クラミジアに感染をしても多くの人に症状があらわれないので、気付かないうちに体の奥深くまで病原菌が入り込んでしまうことがあります。
男性の場合だと、尿道から入り込んだ細菌が体の奥へ入り前立腺に炎症を起こしたり、副睾丸にまで感染を起こしてしまいます。
前立腺炎になると前立腺が腫れることで尿道が圧迫されて排尿がスムーズにできなくなり残尿感が出たり頻尿になったりします。
副睾丸に炎症が起こると発熱をして睾丸が腫れて痛みが出ることがあります。

女性の場合には子宮頸管から子宮の中に細菌が入り、さらに病状が進行すると卵管まで感染が広がります。
卵管に炎症が起こることで、卵子の通り道である卵管が塞がれてしまうことがあり、それが不妊症の原因となることもあります。

卵管の先端は腹腔内に解放されているので、そこから感染が広がると腹腔内にも炎症を起こして腹部の強い痛みが出現し、性交時にも痛みが出ることがあります。
さらにお腹の上部まで炎症が広がると肝臓の周囲に炎症が起きる肝周囲炎を起こすことがあり、我慢できないほどの強い腹痛が起こります。

クラミジアは初期のうちであれば抗生物質を服用することで完治させることができます。
症状が体の奥深くまで広がってしまうと薬が届きにくくなり、内服薬だけでは治療することが難しくなることがあるために、できる限り早めに治療をすることが重要です。

また不妊症で悩んでいる人の中には自分では気付かないうちにクラミジアに感染してしまい、それが悪化していることが不妊の原因となっている場合があります。
男性の場合には両方に副睾丸炎を起こすと不妊の原因となりますし、女性の場合には卵管炎など不妊症を引き起こす症状がいくつも存在しています。
クラミジアは症状が出にくいので、自分でクラミジアに感染していると気付いた時には、病状が相当進んでしまっていることがあります。
不妊症を引き起こしている場合でも、クラミジアの症状はまったくでていないことがあるので、注意が必要です。